大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和41年(あ)2471号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

理由

弁護人大槻竜馬、同下村末治の上告趣意第一点について。

所論は、判例違反をいうけれども、本件は、原判示のように児童福祉法六〇条二項、三四条一項九号にも該当し、同罪としては、児童毎に包括して一罪が成立するものと解すべきであり、しかもこの罪と本件労働基準法違反の罪が想像的競合の関係にある事案であつて、児童福祉法の適用のない所論の判例は、事案を異にし本件に適切でないから、前提を欠き適法な上告理由に当らない。

同第二点について。

所論は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない(なお、本件上六観光トルコ温泉の事業が、労働基準法八条一四号の事業に該当し、同法六二条一項および四項但書に基づく満一八才未満の女子に対する深夜業禁止規定の適用を免れないとした原判断は、相当である。)。

また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。(奥野健一 草鹿浅之介 城戸芳彦 石田和外 色川幸太郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例